確か、最初にそう提案してくれたのは佐野さん。
玄関側から入るようにプランしていたトイレを、洗面脱衣室から入れるようにしたことでできた、何も無い壁。
「玄関のドアを開けてお家に入ったとき、最初に目に入ってくるのが壁っていうのは、なんだか寂しい感じですよね・・・。」
今住んでいるマンションの玄関は、北向きで窓も無く真っ暗。

昼間でも電気をつけないといけないぐらい。
今住んでいるマンションには特におおきな不満はありませんが、この玄関だけはどうしても好きになれません。
「新しいお家の玄関ホールは、明るくて素敵な場所にしたいなぁ〜。だって、玄関はお家の顔。まず最初に目に入る場所ですよね。」

多分、何気なく言った私の言葉に答えての提案だったと思います。
「菊池さん、美しくて機能的なニッチ(壁をくりぬいてつくる飾りだな)を考えてください!」
漠然とした要望から、まず菊池さんが提案してくれたのは、

吸湿、吸臭効果のあるエコカラットというタイルを背面に貼って、硝子の棚板が一つ。そして照明は上からのダウンライトというものでした。
「エコカラットの効果は、玄関には魅力的ですねぇ♪」
でも、夫は凸凹した質感のあるタイルが好き、そして、私は凹凸のないペロンとした質感のものが好き。
「どうせタイルを貼るなら、貼ったぞ〜ってわかりやすい、凸凹したものがいいですよねぇ」そう言う、夫と佐野さんに意見のを跳ね除けて、私と菊池さんの意見で、”たけひご”という縦方向に引っかき模様のあるタイルに決まりました。
でも・・・。
一度は決めてもいいかなぁと思った、ニッチ。
私の中で、微妙な違和感がありました。
「これはこれで素敵なんだけど・・・、普通?それにダウンライトが・・。」
考えれば考えるほど、気になることが出てきてしまいました。
棚板が一枚だけ。これは、もしかしたら、飾るものを選ぶかもしれない。バランスよく考えて飾らないと、とっても気持ち悪い場所になってしまうかも。
それに、上からダウンライトをあてた時にできる、影も気になりだしてしまいました。
「菊池さん、機能的で、その上飾るものを選ばない、それだけで美しいニッチを考えてください!」












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