子ども部屋はもちろん、リビング、トイレ、バスルームに至るまで。
和室のふすま以外、それはもう、全室に。
特にバスルームは、キッチンに繋がる壁に硝子の小窓があり、いつまででも湯船に使っていると、母が急にガラッと小窓をあけて「大丈夫?溺れてない!?」って。

ドアに入っている、カスミの硝子。子どもの頃にはほとんど意識をすることがありませんでした。
もちろん、その意味も。
むしろ、「お風呂ぐらいゆっくり入らせてよ!」なんて、母に怒ったりして。
でも、自分が夫と一緒にお家を建てるようになって、そのドアの意味がやっとわかりました。
ドアにはめ込まれた硝子の中には、家族を思いやる気持ちが入っていたって。
硝子の向こうから、なんとなく感じる家族の気配。ドアを閉めていても、常に繋がっている感じ。
多分、その硝子には、父の家族への思いやりがこめられていたんだと思います。
きっと、お家の中にあるもの一つ一つ、すべてに何かの意味がある、意味のないものなんて一つもないと思います。
例えば、たった一つの窓、たった一つの壁。そんなものでも、光や風や、人の動きや、もしかしたら家族の生活さえも変ってくるかもしれません。
そう思うと、何を建てるかを考えたとき、何からはじめればいいかが自然と見えてきます。
正解かどうかは、今の私にはちゃんといえないのかもしれませんが、多分、家族として、どうありたいのかを考えること。
これから先、夫(妻)とどう関わり、子どもをどう育てたいのか、どんな家族でいたいのかを考えていくと、なんとなく、家の全体像が見えてくるんじゃないでしょうか。
その中で、今の生活のいいところ悪いところ、これまでの暮らしの残したいところ変えたいところを思索して行って、さらに美しさやデザイン性の好みを足していけば、きっとぴったりくるお家が出来てくるんじゃないかと思います。
お家づくり、それはある意味、人生と、家族と向き合っていく作業かもしれません。
それは、とってもおそろしく、でも大切で、楽しくて、幸福な経験。

お家を建てるすべての人たちに、私も味わってきたような、楽しくて幸福な時間を過ごして欲しいと思います。
一生に、何度もない、経験なのですから。
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